単なる走り屋モノとあなどるなかれ、上質ストーリーのアニメ「 湾岸ミッドナイト 」
2007年よりオービー企画が製作、放送された、1990年から週刊ヤングマガジンにて連載されていた漫画を原作とするアニメです。頭文字Dによって話題が沸騰した、いわゆる「走り屋漫画」のひとつ。スタッフの多くは頭文字Dと同様のスタッフで、当時最先端のCG技術を駆使したカーアクションは必見です。また走り屋アニメということで、各車のエンジン音は、なんと実車から収録されているというこだわりぶり。実はこれも、頭文字Dからの引継ぎ。当時のDVDには「頭文字Dを超えた!」とのうたい文句が使われており、この時点ですでに製作スタッフたちの尋常ではない、アニメ「 湾岸ミッドナイト 」への熱の入れようが伝わってきます。つまり、当時集めうる最高のスタッフと技術をそろえ、最高の原作を携えて、満を持してアニメ化されたのがこの「湾岸ミッドナイト」です。ちなみに主人公の声優がなんと小栗旬。ほかの豪華ベテラン声優に比べて物足りなさはありますが、のらりくらりとした「不思議くん」アキオ役としてはマッチしていたと思います。■アニメ「 湾岸ミッドナイト 」のストーリーは?「その車は まるで身をよじるように走るという その名を ”悪魔のZ”」この一つ車を中心として、物語ははじまり、そして終わりに向けて加速していきます。そのころは「走り屋」の全盛期を少しすぎたころ。主人公は高校生の朝倉アキオ。アキオは懇意のチューナー(自動車の整備士)に教えられ、長年求めていた車、「日産フェアレディZのS30」という車が解体屋に運び込まれたことを聞きます。すでに10年以上前の車です。ミッドナイトブルーのZ、それを見た瞬間からアキオはその車に魅せられます。しかしそれは「いわくつき」の車。前のオーナーの名は、「アサクラアキオ」…。「いいですよ俺、売ってください」。その車はおそろしく速く、そして事故を重ね、それでも何度でも修理されて、最高速の舞台・首都高湾岸にもどってくる。ただ誰より速く走り続けるために…「地獄のチューナー」北見淳がつくりあげた最高傑作、「悪魔のZ」だったのです…。悪魔に魅入られたアキオと、アキオに魅入られた悪魔。この一人と一台を追うために、その先を走るために、人々は深夜の湾岸に集います。「湾岸の帝王・黒い怪鳥ブラックバード」「32のGT-Rを繰る女」…。「会えるよ、今夜。お互いが出会いたいと思っていれば」。ミッドナイトブルーの悪魔をめぐる、愚かで優しい「走り屋」たちの群像譚です。■情緒的であり、女性的なストーリーで魅せる「 湾岸ミッドナイト 」画像引用元:youtube.comまず「走り屋アニメ」と聞くだけで「古臭い!」「お父さんが見るもの!」「絵柄が古い!」という意見が出てくるかと思いますが、それはもったいないです。「かわいい女の子」や「切ない恋愛」が堪能したい方にはあまりおすすめできませんが、「良質なストーリー」を求める方にはとても満足できるアニメ作品です。もちろんかわいい女の子も切ない恋愛もありますが、本作の見どころはやはり「洗練された各登場人物たちの物語」。この一言に尽きるでしょう。「頭文字D」もたいへん魅力的な作品ですが、それと比較すると、この作品はある意味情緒的であり、女性的であると言えます。血のたぎるカーアクションももちろんありますが、この漫画の「最高速バトル」はおどろくほど静かです。そこに織り込まれるのは人物たちのモノローグ、垣間見える過去、思い出される大切な人たち…。そこに展開されるストーリーこそこのアニメの最高の見どころであると思います■湾岸ミッドナイト は、「悪魔のZ」をめぐる群像劇がみどころ。メインキャラクターはそのままに、次々と新たな挑戦者たちが現れ、そして去っていきます。いわゆる「走り」に生きるためには車の維持費、改造費、そして命の危険をともなうものです。彼らは家族を、仕事を、恋人を、子どもを、生活を…何かを、またはすべてを犠牲にしてでも「悪魔のZ」を追うのです。「走り」という麻薬に一度でも本気で犯された者は、「悪魔のZ」を追わずにはいられないのです。こうした「走り屋アニメ」としての醍醐味もしっかりと味わえます。しかしそこにしっかりと、彼らが「戻っていく」姿、そこに至るまでの心情も詳細に、しかし言葉で語りすぎることなく描かれる点はたいへんな魅力です。「ハイキュー」というアニメをご存じでしょうか。あの作品を描いた古舘先生も近しい描き方をされています。ハイキューの物語を愛する方であれば、この作品にも魅力を感じていただけるのではないかと思います。 あにぶ 第3期が秋から放送!アニメ「 ハイキュー!! 」を見ると、また部活がしたくなる!(オッサン談)http://anibu.jp/20160804-hiq-34509.htmlタイトルは排球部(はいきゅう=(バレー)=ハイキュー)からきている、バレーのアニメです。制作会社はProduction I.Gで、同じく高校の部活動を描いた「黒子のバスケ(第3期)」も手掛けていて、少し先に公開される「黒子のバスケ」の映画も同じく担当しています。...またアニメは尺の都合上、原作漫画をずいぶんとカットしている箇所がありますので、もし可能であれば原作漫画の一読も強くおすすめします。 アニメ「 湾岸ミッドナイト 」は、原作のストーリーをしっかりと理解したスタッフ方が作っていると分かるアニメです。ぜひレンタルでDVDを借りてみてくださいね。宇宙兄弟 は夢を追いかけるすべての人に観てほしいアニメ タイトル湾岸ミッドナイト監督楠みちはる放送期間2007/6/15主な声優小栗旬、すほうれいこ、三木眞一郎他製作会社オービー企画その他の情報1話約30分 (あにぶ編集部/あにぶ編集部)
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