「いっそ、歴代の月9の主役を…」

■人気脚本家にコンゲーム…。ドラマヲタがハマる要素満載!?

ドラマ好きアラフォーライター3人組が、新ドラマを斬る！ PART1 は『コンフィデンスマンJP』。人気脚本家のオリジナル作品、連ドラではあまりないコンゲームがテーマ…。ドラマヲタクに気になるキーワードが満載！ 評価のほどは!?

■一瞬、長澤まさみのモノマネに見えた!? 弾けぶりに期待大！

猫田　第1話、おもしろかったね!!



亀井　本当に！ 私、脚本の古沢良太さんの大ファンで。私の愛するドラマ『デート〜恋とはどんなものかしら〜』も古沢作品だし、『リーガルハイ』シリーズも好きだし…。期待が高まりすぎて大変でした（笑）。



猫田　セリフにもあったけど、どれが本当でどれがウソか、みたいな、だましだまされの話はおもしろいよね。このシーンどっちだ!?とワクワクしながら見たよ。



犬山　小日向文世さん演じるリチャードが大ケガして入院するのは、ウソだってすぐわかりましたよね（笑）。



猫田　そうそう。あれは視聴者にバレてもいいだましだよね（笑）。だましてるなぁと思って、一緒に笑ってくださいっていうね。



犬山　最後は、話が二転三転しておもしろかったよね〜。最終的に、まさか全部作りものだったとは！



亀井　役者さんもよかったですよね。東出昌大くんは、少し前のTBSドラマ『あなたのことはそれほど』の怪演がすごかったから、次のドラマを期待してたんです。今回は、あの情けないような、憎めないような、ボクちゃん役がハマってる！



犬山　ハマりぐあいで言ったら、今回のほうがぴったりかも。詐欺師のくせにだまされやすいって…（笑）。1話でもまんまとゴッドファーザーにだまされていたし。



猫田　小日向さんは、安定感がすごいよね。今回のリチャードももちろんいいけど、こんなに悪人から善良な人まで、幅広くできる役者さん他にいないのでは。



亀井　草なぎ剛くんの『僕シリーズ』で1作では理解のある心優しいお医者さんを演じていて、もう1作では厳しい上司を演じていて、こんなに違う人間を演じられるんだなぁと驚いた記憶があります。



犬山　私、実は1話の完成披露試写会にお邪魔して、3人のトークショーも見たのだけど、小日向さんって長澤まさみさん、東出くんと年齢が倍違うそうで。それなのに、現場では誰よりも元気らしくて、作品上も2人と対等に渡り合ってるし、すごいですよね。



猫田　あとは長澤さん。めちゃくちゃスタイルいいし、かわいい！ CAのボディラインの出る制服がよく似合ってたね。



亀井　すごく頑張って弾けてますよね。表情の変化もすごくて、一瞬、長澤まさみの真似をする福田彩乃さんに見えました（笑）。



猫田　おもしろい！ 確かに、清楚な長澤さんのイメージとはかけ離れているかも。でも、女優さんとしては大正解だよね。振り幅あって、ハッチャけてたほうがいいもん。



犬山　でも、ちょっとだけ物足りないというか、長澤さんの隠しきれない上品さが出ちゃってた気もするんですよねぇ。素性のよくわからない詐欺師・ダー子というキャラを、もっともーっと振り切って演じてほしい!!



亀井　2話以降は中国人になったりもするみたいなので、さらに弾けて演じてほしいですね。

■今後はさらに複雑なトリックも？ おもしろいだけに期待や妄想がムクムクと…

犬山　1話のトリックを一度整理してもいいですか？ これって結局、飛行機もチャーターして、空港も作りもので、乗客も全員グルってことですよね。



猫田　そうそう。だから、最初に江口洋介さん演じる赤星軍団が空港に持ってきていたアタッシュケースがダミーだということも、それが本物に変わるのもおそらく織り込み済みで。本物を引き出して、飛行機にのせた時点で、ほぼ勝ちだったってことよね。あとは、江口洋介をどうお金から引き離すかっていうね。



亀井　この辺り、まさにウソか、ホントか？って感じで見ている時はおもしろかったんですけど…。正直、全部作っちゃうのは、え？と思ってしまいました（笑）。



猫田　確かにね。トリックとしてはちょっと大雑把だったかな？ 作っちゃうんだったら、それこそ何でもアリだもんね（笑）。



犬山　やっぱり連続ドラマで10話もあるから、もっと込み入ったトリックは後半に持って来てるんじゃないですか？ 全体のバランスを見て、1話はこういうダイナミックな仕掛けにしたのかも。



亀井　深読みしますね（笑）。私、古沢脚本の映画『キサラギ』が大好きなんですけど、あの作品は密室劇で、会話するうちにどんどん話が展開したり、真相が明らかになったり…っていうストーリーなんです。古沢さんはこういう作り込んだ話もお得意だと思うので、2話以降、いろいろな要素が出てくるともっとおもしろくなりますよね。



犬山　作品がおもしろいだけに、いろいろと要望や気になることが出てきちゃいますね（笑）。



亀井　あと、今回のターゲットの江口洋介さん演じる赤星が、そこまで極悪非道だったかな、というのも少し気になりました。詐欺師に狙われるぐらいだから、もっと悪の部分があってもよかったのでは…。



猫田　私は、とにかくあの『ひとつ屋根の下』の「あんちゃん」が、こんな悪役をやってるってことに、時の流れと感慨深さを感じたわ。



犬山　そうだ！ 毎週号泣しながら見た『ひとつ屋根の下』。懐かしすぎる〜〜。確かに、あの人情派のあんちゃんが、何十年後にこんな悪人をやるなんて、当時は想像もつきませんでした。



猫田　いっそさ、過去の月9のスターたちを毎回ターゲットとして迎えたらどうだろう。浅野温子さんとか武田鉄矢さん、中山美穂さん…。



犬山　おもしろすぎますね、その発想（笑）。私たちのような昔からのドラマファンには懐かしいやら、嬉しいやらでテンション上がりますね！ このドラマでなくてもいいから、いつかフジテレビのドラマでそんな遊び心のある試みもしてほしいな〜。



亀井　でも、2話以降のゲストも大物揃いで楽しそうですよ。女性は吉瀬美智子さんにかたせ梨乃さん、あと6話のウッチャン（内村光良さん）が個人的には期待大!!



猫田　返す返すも、作品がおもしろいからこそ、いろいろな妄想や期待が膨らんじゃうのよねぇ。とにかく、痛快に笑い飛ばして見られそうなドラマなので、月曜日が楽しみです！

座談会メンバー

猫田（仮名）

44歳。ドラマ好きが高じてライターとなり、数多くの俳優、女優のインタビューを担当。“ミポリン世代”で青春時代は『すてきな片想い』、『君の瞳に恋してる！』など中山美穂主演ドラマに夢中に。マシンガントークの毒舌ライター。



犬山（仮名）

38歳。小学生からドラマを見続ける筋金入りのテレビっ子。高校時代に『ロングバケーション』を見てそのオシャレさに衝撃を受け、『ラブジェネレーション』、『HERO』を愛す“キムタク世代”。イケメンには目がなく、数々の若手俳優のインタビューを担当。



亀井（仮名）

36歳。元テレビ誌のライターで、数々のドラマ記事を担当。冷静沈着、情報通で特に脚本家に詳しく、2000年代のドラマはほぼ制覇。好きなドラマは杏主演の『デート〜恋とはどんなものかしら〜』、相葉雅紀主演の『ようこそ、わが家へ』など。

構成・文＝野々山幸（TAPE）

■番組情報

『コンフィデンスマンJP』

＜放送＞

毎週月曜21時〜

＜出演＞

長澤まさみ

東出昌大

小日向文世