池松壮亮、元フィギュアスケート選手のコーチ役 奥山大史監督作に出演、主題歌はハンバート ハンバート

池松壮亮、元フィギュアスケート選手のコーチ役 奥山大史監督作に出演、主題歌はハンバート ハンバート

 ハンバート ハンバートの代表曲と同名タイトルの映画『ぼくのお日さま』が今秋、劇場公開されることが決定した。監督、撮影、脚本、編集を手がけるのは、本作が長編2本目、商業デビュー作となる新鋭・奥山大史。俳優・池松壮亮が、元フィギュアスケート選手のコーチ役で出演する。



【画像】タクヤ、さくらと荒川(池松壮亮)の後ろ姿



 本作は、雪の降る街を舞台に、吃音(きつおん)をもつホッケー少年のタクヤと、フュギュアスケートを学ぶ少女さくら、そして元フィギュアスケート選手でさくらのコーチ・荒川の3人の視点で紡がれる物語。



 奥山監督がこどもの頃に約7年間フィギュアスケートを習っていた経験から、「雪が降り始めてから雪が解けるまでの少年の成長を描きたい」と本企画をスタート。プロットを考える中でハンバート ハンバートの楽曲「ぼくのお日さま」と出会い、その歌詞を聞いた途端「主人公の少年の姿がはっきり浮かび、物語がするすると動きだした」という。撮影では、自らスケートを滑りながら、カメラを回した。



 楽曲「ぼくのお日さま」は、ハンバート ハンバートが2014年に発表したアルバム『むかしぼくはみじめだった』に収録されている。これまで主題歌オファーがあっても断ってきたほど大切な楽曲だったが、奥山からの手紙を読んで、オファーを快諾。完成した映画にも「自分の曲がこんなにも素晴らしい映画となって生まれ変わるなんて、本当に幸せです」(ハンバート ハンバート・佐藤良成)と太鼓判を押す。



 池松とは、本企画をスタートさせる前後に、奥山が総監督を務めた「エルメス(HERMES)」のドキュメンタリーフィルム『HUMAN ODYSSEY ―それは、創造を巡る旅。―』で撮影をともにし、池松の佇まいに魅せられ、この物語に大人の目線を加えたいと思ったことから、「夢に敗れた元フィギュアスケート選手のコーチ」という池松が演じたキャラクターが作られたという。タクヤ役とさくら役は後日発表される。



 奥山監督は、大学在学中に制作した長編初監督作『僕はイエス様が嫌い』(19年)で、史上最年少となる22歳で、歴史ある「第66回サンセバスチャン国際映画祭」最優秀新人監督賞を受賞。是枝裕和総合演出のNetflixシリーズ『舞妓さんちのまかないさん』で5、6、7話の監督・脚本・編集(5話は是枝監督との共同監督回)を務めたほか、3月4日から放送開始するNHK夜ドラ『ユーミンストーリーズ』では、第3週「春よ、来い」(主演:宮崎あおい※崎=たつさき)の演出を担当する。



 「釜山国際映画祭2022」で行われた世界40ヶ国288企画からなる「Asian Project Market(APM)2022」で「ARRI アワード」 を受賞したほか、これまで濱口竜介監督、三宅唱監督らの作品を世界へ紹介してきたフランスの会社「シャレード」による海外セールスも決まっており、黒沢清監督や深田晃司監督の作品をフランスで公開してきたアートハウス・フィルムズの配給で11月にフランス公開される予定。



■池松壮亮(元フィギュアスケート選手のコーチ 荒川役)コメント



 奥山大史という凄まじい才能に出会い、対話を繰り返し、共感し合い、共犯できた全ての時間に感謝しています。この世界の光の粒のような二人の才能に出会えたことにも感謝しています。今作を共に創り上げたスタッフキャストと共に、この素晴らしい作品を届けることができることを幸せに思います。この世界の雪解けを予感させてくれるような、あまりにもピュアで、心に響く映画になりました。ぜひ楽しみにしていてください。



■主題歌:佐藤良成(ハンバート ハンバート)コメント



 奥山監督から最初手紙をいただきました。今作ろうとしている映画は、私の曲の中の「ぼく」から物語がふくらんだもので、主題歌にもその曲「ぼくのお日さま」を使いたいと。脚本や前作も拝見して、彼とぜひ仕事したいと思い快諾しました。出来上がった作品は、どのシーンのどのカットも実に美しい光と色で、こんな絵を撮る奥山監督は恐ろしい人だなと思います。自分の曲がこんなにも素晴らしい映画となって生まれ変わるなんて、本当に幸せです。



■主題歌:佐野遊穂(ハンバート ハンバート)コメント



 とにかく映像の美しさが印象的でした。どこを切り取っても儚さが漂っていて、監督のキャラクターがそこに一番現れてるように感じました。この楽曲の「ぼく」や、タクヤ、荒川コーチ、それぞれに小さな救いがあったように、この映画がまた誰かのお日さまになればうれしい事だと思います。



■監督・撮影・脚本・編集:奥山大史コメント



 いつの日か、子どもの頃に習っていたフィギュアスケートの映画を作りたいと思っていました。でもなかなか作れずにいました。ただ思い出を映像にするだけでは映画にならない、と頭を抱える日々でした。



 そんな時、「ぼくのお日さま」という楽曲に出会い、惹かれるまま毎日聴くうちに、全く新しい物語が動き始め、時を同じくして、池松さんに出会い、この方の魅力を映し出すことができたら、映画になると確信できました。この作品で商業映画に初挑戦できたこと、うれしく思います。どうぞご期待ください。
カテゴリ