映画館「ユーロスペース」、坂口拓の主演映画『1%er』上映中止 性加害疑惑にスタッフ有志が“異例”の声明発表

映画館「ユーロスペース」、坂口拓の主演映画『1%er』上映中止 性加害疑惑にスタッフ有志が“異例”の声明発表

 東京都渋谷区の映画館「ユーロスペース」は2日、Xを通じて、23日に公開予定だった俳優・坂口拓の主演映画『1%er ワンパーセンター 』の上映中止を発表した。



【全文】性加害疑惑に映画館「ユーロスペース」スタッフ有志が“異例”の声明発表



 同館支配人・北條誠人氏は同日午後8時30分に「『1%er』の上映を中止します。詳細は後日、お伝えします」と伝えた。この投稿の約1時間前に、スタッフ有志一同の声明を掲載。「この度の『1%er』上映決定に関わりのないスタッフより報告がございます」とし、「当該作品の主演・坂口拓氏には園子温監督の性加害に加担した疑惑が報じられており、本人は無実を主張しているものの、いまだ問題に決着がついていません」と説明。「被害に遭った方々への二次加害などを考慮すると、お客様に説明がないままの上映は妥当でなく、スタッフからも延期または中止を求めております」とした。



 「今回の一報により、普段からお世話になっている方々に失意の念を抱かせてしまったこと、大変残念に思っております。この事実は消えませんが、当館の信頼回復、また映画上映全体の環境改善に向けて関係者一同一丸となり、ひとつずつできることをやっていく所存でございます」と記した。



 映画『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督は、これらの発表が投稿される前の同日午前11時過ぎに「ユーロスペースには監督作の上映等でとてもお世話になってきたし、多様な素晴らしい映画に出会わせてくれた。でも性加害に加担した疑いがある方の主演作を説明のないまま上映に踏み切るのはどう考えても見過ごせない」と指摘。「被害者を置き去りにしている。業界の健全化をめざして尽力する人々や映画ファンを失望させている。いま上映中の作品や今後の上映作の創り手も安心できない。どうか公開の見直しと真摯な説明を」と訴えていた。



 園子温氏をめぐっては、2022年4月に一部週刊誌が“性加害疑惑”を報じた。記事中で約10年前に園氏とともに飲み会に参加していたとして俳優「T」の存在が報じられ、坂口は後日、自身のYouTubeチャンネルで自身が「T」であると説明。「10年前のこととはいえ、不快な思いをさせた方がいるとすれば、この場を借りて謝罪したいと思います。大変申し訳ございませんでした」と謝罪していた。



 園氏は発行元などに対して訴訟を提起。今年2月に「インターネット上の記事を全文削除することを受け入れたことから、裁判上の和解により解決いたしましたのでご報告いたします」と発表した。



■ユーロスペース スタッフ有志一同コメント全文

『1%er』の上映に関して



 平素よりご厚意賜りまして誠に感謝申し上げます。この度の『1%er』上映決定に関わりのないスタッフより報告がございます。



 当該作品の主演・坂口拓氏には園子温監督の性加害に加担した疑惑が報じられており、本人は無実を主張しているものの、未だ問題に決着がついていません。被害に遭った方々への二次加害などを考慮すると、お客様に説明がないままの上映は妥当でなく、スタッフからも延期または中止を求めております。



 今回の一報により、普段からお世話になっている方々に失意の念を抱かせてしまったこと、大変残念に思っております。この事実は消えませんが、当館の信頼回復、また映画上映全体の環境改善に向けて関係者一同一丸となり、ひとつずつできることをやっていく所存でございます。



ユーロスペース スタッフ有志一同
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