「第96回アカデミー賞」『PERFECT DAYS』『ゴジラ-1.0』『君たちはどう生きるか』健闘を祈って乾杯

「第96回アカデミー賞」『PERFECT DAYS』『ゴジラ-1.0』『君たちはどう生きるか』健闘を祈って乾杯

 現地時間10日夜に米ロサンゼルスで開催される「第96回アカデミー賞」授賞式を前に、同9日、在ロサンゼルス日本国総領事公邸にて日本メディア向け記者会見&ノミニーレセプションが行われた。



【画像】ノミネート3作品の関係者が集結



 主な出席者は、長編アニメーション映画賞にノミネートされている『君たちはどう生きるか』よりスタジオジブリ代表取締役社長・福田博之氏、国際長編映画賞にノミネートされている『PERFECT DAYS』よりヴィム・ヴェンダース監督、役所広司、柄本時生、麻生祐未、視覚効果賞にノミネートされている『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督、在ロサンゼルス日本国総領事館・総領事の曽根健孝氏、ジャパンハウス館長の海部優子氏。翌日に迫った授賞式を前に、出席者それぞれに思いを語り、ともに健闘を祈って乾杯した。



 まず、ヴェンダース監督が、日本時間8日に行われた「第47回日本アカデミー賞」で、外国人監督初の最優秀監督賞を受賞した結果に触れ、「小津安二郎監督を先生のように思っている私にとって、日本で監督賞を取れたことを非常に光栄に思っています。ありがとうございます」とあいさつした。米アカデミー賞について聞かれると「もし、明日何かを取れるとしたら、ケーキの飾りのような、ボーナスだと思います」と謙虚に答え、会場を和ませた。



 「世界中から注目される米アカデミー賞に出席する今の気持ちは?」と尋ねられた役所は「有名な歌手の方のパフォーマンスや、受賞者がその世界の情勢に合わせていろんなスピーチをされるので、とても興味があります。そして、やっぱり今までスクリーンで見てきた人たちを実際に見ることができるのが楽しみですね!」と笑顔に。「話しかけたい人はいますか?」という質問には、「ノミネートされた人たちのパーティー(ノミニーランチョン)で、いろんな人を紹介していただいて、結構お会いしたかった人には会えたんです。有名な方たちとのセルフィーをたくさん撮りました」とアカデミー賞をきっかけに、願いを叶えたことを明かした。



 昨年5月にフランスで開催された「第76回カンヌ国際映画祭」で最優秀男優賞を受賞したことから始まったここまでの旅を振り返って役所は、「今まで映像で見ていた、アカデミーのレッドカーペットや授賞式に自分が行くっていうのはなかなか想像しにくくて、ちょっと緊張してますね。そして、先ほど、カンヌ国際映画祭から始まった監督との長い旅の話がでましたけど、一応明日で旅の最後かな、と思うとちょっと寂しいですね。やっぱり最後は、ケーキ?をおいしく食べたいな。と思っています」。



 麻生は「私もこの映画は何度も見たんですけれども、本当に素晴らしい映画だと思います。人とのつながりや、 旅をするという文化など、それは本当に世界的に、普遍的に受け入れられるものだと思っています。もっともっとたくさんの人に見ていただきたい気持ちもあるので、ぜひ素晴らしい瞬間が起こるといいなと」と期待を寄せた。



 ヴェンダース監督は「アメリカ人はよく、このアカデミー賞の前のいろんな行動のことを『レース』と呼んでいます。我々は今まで楽しんできたので、レースに関わっているようには感じていませんでしたが、これを馬に乗ってのレースと考えると、ほかの馬が先頭でリードしていることは確かではあると思います。しかし、我々の馬は非常にいい馬で大好きな馬です。なので、もしこの馬が勝たなくても、皆さん、よりこの馬を好きになってくれるのではないでしょうか」と話していた。



 また、今回初めてアメリカを訪れたという柄本は「アートを感じるというか、大きいなということをすごく感じました。来てよかったなというのが本当に1番です」と現在の心境を明かしていた。



 『PERFECT DAYS』が海外でも受け入れられた要因について、ヴェンダース監督は「皆さんご存知の通り、この映画はトム・クルーズも出ませんし、アクション映画ではありません。スーパーヒーローではなく、本当の意味でのヒーローを描いた映画です。なので、この映画のこれだけの成功は私も驚きで、非常に心を動かされました。(主人公の)平山が本当に人々の心に届いたのだと思います。今まで私の夢をはるかに超えた結果を得ることができました」と望外の喜びに感謝していた。
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