「第96回アカデミー賞」世界情勢と写し鏡のような受賞作品『オッペンハイマー』『ゴジラ-1.0』『実録 マリウポリの20日間』『関心領域』

「第96回アカデミー賞」世界情勢と写し鏡のような受賞作品『オッペンハイマー』『ゴジラ-1.0』『実録 マリウポリの20日間』『関心領域』

 世界最高峰の映画賞、映画芸術科学アカデミー主催の「第96回アカデミー賞」授賞式が現地時間10日、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターにて行われた。13部門でノミネートされていたクリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』が作品賞を含む7部門を制した。



【画像】「第96回アカデミー賞」授賞式の現地撮影写真が到着



 授賞式の模様を生中継したWOWOWの番組にスタジオゲストとして出演した、カリフォルニア在住で現地アメリカの情報にも精通している映画評論家の町山智浩氏は、今回のアカデミー賞を「『オッペンハイマー』は原爆、『ゴジラ-1.0』も原爆と戦争、(長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した)『実録 マリウポリの20日間』はロシアとウクライナの戦争、(国際長編映画賞。音響賞を受賞した)『関心領域』はアウシュビッツ。いま、まさに世界で何が起こっているのかを象徴する、ハリウッドのメッセージだったと思います」と総括した。



 『オッペンハイマー』(3月29日公開)は、第二次世界大戦中、原子爆弾開発・製造のためのマンハッタン計画を遂行した天才科学者J・ロバート・オッペンハイマーの実話を映画化した作品。



 視覚効果賞を日本初・アジア初受賞した『ゴジラ-1.0』(公開中)は、原爆と空襲によって焼け野原となった日本で、復興に向けて前に進みはじめた矢先に、巨大不明生物が現れ、戦争の惨禍を生き抜いた主人公らが生きて抗おうとするさまを描いた作品。



 『実録 マリウポリの20日間』は、ロシアによるウクライナ侵攻直後にマリウポリに向かったAP通信取材班によるドキュメンタリー。



 『関心領域』は、原題の「The Zone of Interest」が、第二次世界大戦中、ナチス親衛隊がポーランド・オシフィエンチム郊外にあるアウシュビッツ強制収容所群を取り囲む40平方キロメートルの地域を表現するために使った言葉。映画では、アウシュビッツ強制収容所と壁一枚隔てた屋敷に住む収容所の所長とその家族の暮らしが描かれる。



 時代を反映しながら、数々のドラマを生み出してきた「アカデミー賞」。授賞式の模様は今夜(11日 後9:00~)、『生中継!第96回アカデミー賞授賞式』字幕版として、WOWOWプライムで放送・WOWOWオンデマンドで配信される。WOWOWオンデマンドでは3月19日午後11時59分までアーカイブ配信も行う。
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