『ゴジラ-1.0』25歳でオスカー像獲得の野島達司さんとは? 山崎貴監督も信頼寄せ激励「これが人生はピークにならないでね」

『ゴジラ-1.0』25歳でオスカー像獲得の野島達司さんとは? 山崎貴監督も信頼寄せ激励「これが人生はピークにならないでね」

 世界最高峰の映画賞、映画芸術科学アカデミー主催の「第96回アカデミー賞」(現地時間10日)で視覚効果賞を受賞した映画『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督(監督・脚本・VFX/59)、渋谷紀世子さん(VFXディレクター/53)、高橋正紀さん(3DCGディレクター/55)、野島達司さん(エフェクトアーティスト・コンポジター/25)が12日、羽田空港で『「ゴジラ-1.0」アカデミー賞受賞記者会見』を開いた。



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 『ゴジラ-1.0』がノミネートされた視覚効果賞は、視覚効果(VFX)を用いた作品に与えられる栄誉で、過去には『スターウォーズ』、『タイタニック』、『アバター』などの映画史を代表する傑作が受賞してきた。山崎貴監督が、映像制作会社「白組」とともにVFXも手掛けており、監督が「視覚効果賞」を受賞したのは、第41回(1969年開催)『2001年宇宙の旅』のスタンリー・キューブリック以来、55年ぶり、史上2人目の受賞監督となった。



 アカデミー賞にあわせて特別にあつらえた金色のゴジラ像とオスカー像を持ち、笑顔で登場した山崎監督。オスカー像を手にした完走を問われると「想像を遥かに超える重さでびっくりしました。結構、緊張していたんですけど、一瞬、それを忘れるぐらいの重さ。『本当に今オスカー像を持っているんだ』という思いでうれしかったです」としみじみ。プレゼンターはアーノルド・シュワルツェネッガーとダニー・デヴィート監督が務めた。山崎監督は「シュワルツェネッガーさんからもらいたかったんですけど…」とジョーク交じりに語りながらも「ダニー・デヴィートでもうれしかったです。『俺たち(山崎監督と渋谷さんは)、こっちなのね』と。その後、シュワルツェネッガーさんと握手をできました」と笑っていた。そして高橋さんと野島さんが「僕たちはシュワルツェネッガーさんから」と話すと、山崎監督は「ちくしょー!」と応じて笑わせていた。



 エフェクトアーティスト、コンポジターを務めたのは若干25歳の気鋭・野島達司さん。エフェクトアーティストは本作で言う海のシミュレーションをする作業で、コンポジターは最終的な仕上げ作業を行う。野島さんは「両方やっていたのでシミュレーションから、レンダリングから、最終仕上げまで全部やらせていただきました」と振り返った。



 2019年に山崎監督も所属する白組に入社した野島さん。わずかな期間でアカデミー賞まで上り詰めたが、山崎監督は「これが人生はピークにならないでね。野島は若いんで。僕らはここで、いい曲線描いてますけど。野島は、あんまり頭の方にピークが来ちゃうと映画のシナリオ的にはあんまりよろしくないんで」と今回が初パスポート、初海外、初オスカーとなった野島さんへ、らしくエールを送った。逆に山崎監督へ、野島さんは「天才でいてくれて、ありがとうございます」と返礼した。



 山崎監督を長く支えた阿部秀司プロデューサーは昨年に死去。作品作りの指針となっていた阿部さんを亡くしてしまい、山崎監督は「ハードルだったんですよ、ずっと。僕らみんなで『これでいいんじゃねえか』ってなると、阿部さんが『これ終わりじゃねえよな』って言って、僕らが頭抱えるっていうことが何度もあって。それに鍛えられてきた。阿部さんの方を向いて作ってたら、このぐらいになった。最強の味方でもあったけど、最強の敵でもあった。今ちょっと不安なんですよ。阿部さんなしで、これから映画を作ってくっていくことが」と吐露しながらも、野島さんも忌憚のない意見を行ってくれるそうで「野島がこれから1番うるさいヤツになるんじゃないかな。『野島に言われたよ』が後でジワジワ聞いてくる。新たな阿部さんとして」と期待の大きさを語っていた。



 1954年に初めて姿を現して以来、日本だけでなく世界中を魅了し、衝撃を与え続けてきた怪獣「ゴジラ」。生誕70周年を迎える2024年に先駆けて公開される日本で製作された実写版ゴジラの30作目『ゴジラ-1.0』の舞台は、戦後、すべてを失った日本。“その無(ゼロ)が、負(マイナス)になる”。戦後、無(ゼロ)になった日本へ追い打ちをかけるように現れたゴジラがこの国を負(マイナス)に叩き落す。史上最も絶望的な状況での襲来に、誰が?そしてどうやって?日本は立ち向かうのか。
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