『光る君へ』板谷由夏&塩野瑛久、京都・宇治市でSPトークショー「歴史に触れる楽しさを知った」

『光る君へ』板谷由夏&塩野瑛久、京都・宇治市でSPトークショー「歴史に触れる楽しさを知った」

 大河ドラマ『光る君へ』(毎週日曜 後8:00 NHK総合ほか)で藤原道隆の嫡妻・高階貴子役の板谷由夏、一条天皇役の塩野瑛久が20日、京都・宇治市文化センターで開催された「光る君へスペシャルトークショーin宇治」にあわせて市内を訪ねた。



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 宇治はもともと、藤原道長ら一族の別荘地として寺社やまちの整備を行い、藤原氏の造ったまちとも言われる場所。イベントに先駆けまず訪れたのは市内中心部を流れる宇治川にかかる宇治橋。まちの景色は変われども、山々を見渡すこの景色は1000年前と変わることないと言われる。続いて訪れたのは、紫式部が生きた時代から残る建築物、国宝の宇治上神社の本殿。紫式部が宇治を訪れたかは記録が残っていないが、源氏物語最後の十帖は主な舞台を宇治としており、実際の宇治の風景に近い物語の描写からは、実際に式部もここ、宇治を訪れたのではないかと想像される。



 また、市内の中心部にある平等院は藤原道長が宇治に所有していた別業の「宇治殿」を、道長の死後に息子の頼通が寺院に改めたもので1052年に創建された。宇治の風光明媚な景色を好んだ道長もたびたび宇治を訪れ詩歌・管絃の宴を行った。ドラマに登場する道長らが残した足跡を宇治で辿った板谷は「宇治のまちは歴史も人も景色も色んな宝物が詰まっている町」と話し、塩野は、「古くから変わらない風景を実際に見て、歴史に触れる楽しさを知った」と話した。



 さらに、藤原道長をはじめとする藤原氏の墓所を訪れた板谷は「近年、小学校を建てる際に道長が建てた浄妙寺が見つかった話や、道長たちがいまも眠る墓がある丘が崩されずに残されている話を聞いて、なんてロマンがあるんだろうと思った」と話した。



 宇治市文化センターで行われたトークショーでは、第1部で「光る君へ」の衣装デザインを担当する日本画家の諫山恵実氏と宇治市源氏物語ミュージアムの家塚館長のトークセッションが行われた。衣装デザインを引き受けることになったきっかけや、家族毎にテーマカラーを持ってデザインしたことなど衣装にまつわる話をした諫山は「平安時代の人たちの観察眼の鋭さに驚いた。ススキの襲の色目のなかに青色があることを不思議に思っていたけれど、ある時、青空のことでは?という指摘をもらって秋晴れの青空にススキがたなびいている情景を取り入れているのかと気付き、当時の人たちの感性の豊かさに感銘を受けた」と話した。



 続く第2部は板谷と塩野に制作統括の内田ゆきチーフプロデューサーが加わってトークショーが行われた。板谷は「高階貴子は現代の女性に近い自立している印象。和歌も楽器もなんでもできて家族を後ろから支えて家を盛り立てている」と話した。板谷が演奏した琴の音が実際に使われたこと、夫の道隆を演じた井浦新と話し合いながら仲睦まじい夫婦を作っていったことなど撮影にまつわるエピソードを披露した。



 塩野は、仲睦まじい夫婦となる藤原定子との関係について「立場や政治に関わらず、人としての心を大事にしたのでは」と話した。また実際に演奏した龍笛について「吹こうと思うと音がでず、リラックスして力を抜くと音が出る吹く人の心が表れる楽器」と話した。



 内田チーフプロデューサーは、2人のキャスティングについて、「板谷さんは道隆と並ぶとバランスが良い夫婦をイメージした。道隆の後ろに控えているけれど、負けない光を持っている貴子を作っていただけた」、「塩野さんはオーディションで、人とペアを組んで芝居をする際に相手の芝居をよく見て演じておられるなと思い、一条天皇という難しい役をお願いするのにぴったりだと思った」と話した。



 また、今作の放送を契機に宇治市は『光る君へ 宇治 大河ドラマ展~都のたつみ 道長が築いたまち~』を開館、同館ではここでしか見られない第10回の放送で行われたまひろと道長のやりとりで撮影に使用された手紙が展示されているほか、大河ドラマのテーマを深堀した4K映像や主人公・まひろや藤原道長が身に着けていた衣装などの展示を見ることができる。



 また、宇治の平安時代をテーマにした歴史展示を展示の後半では見ることができ、藤原道長が見たであろう宇治の姿をイラストで再現している。その他、道長と宇治との関わりとして宇治に造られた藤原氏一族の墓所や、道長が建立した浄妙寺についての紹介や、平安京と宇治との関わりなど、平安時代から今も受け継がれる文化財やまちのかたちを残す宇治ならではの歴史展示となっている。
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