元MLB選手の五十嵐亮太（44）、川崎宗則（42）が26日、都内で行われた「AIG presents MLB CUP 2024 キックオフイベント」に登場した。現代において、スポーツの厳しい指導ができなくなっている中、いまの子どもたちの精神力について質問が及ぶと、2人それぞれが持論を語った。



【写真】もし小学生だったら…あの選手へのあこがれを語った五十嵐亮太



　五十嵐は、「精神力っていう考え方自体もちょっと変わってきている」と切り出し「僕らの時代は正直、つらい練習に耐えるとか、叱られることに対して負けん気を発揮して、それが力に変わったからよかったんですが、そうじゃない時代が来て、結局それをされることによって嫌になって野球をやめてしまった人がいるって考えると、楽しく野球を伝えるという意味で言うと、僕はいい方向にいってると思います。そうなってくると、子どもたちは自分で考えて行動していかなければいけない。でも、そうした方が自分で考えるし、ダメだった場合は受け入れやすい。僕は昔よりも今の環境の方がいいと思っています」と子どもの成長の違いについて語る。



　続けて「精神論的には、負けん気の強さは大事だと思うけれども、それは多分自然と子どもたちの中で育まれて、発揮される時が来ると思うので、待てばいいのかなと思う」と話した。



　一方、自身の子どもも野球をしているという川崎は「スポーツの危険性についてとか、仲間へのヤジなどについては怒るべき」とし、「叱るべきところをしっかり分けることが大事。スポーツって社会に出るためのもので、野球がうまくなったからって何かすごいことじゃないんです。野球が上手くなることよりももっと大事なことがあるのを、スポーツで学ぶべきだし、自分たちで考えるべき」と熱く語った。



　「AIG presents MLB CUP」は、次世代を担う野球少年・少女に夢を与え、野球人口拡大に繋がる普及プログラムをつくる目的で創設された、小学3～5年生を対象とした野球大会。全国から各地区の予選を勝ち上がったチームで行われるファイナルラウンドは、2016年の創設以来、復興支援として宮城県石巻市にて開催され、今年で9回目を迎える。