台湾の人気俳優シュー・グァンハンが来日、覚えた日本語披露で「あざす」

台湾の人気俳優シュー・グァンハンが来日、覚えた日本語披露で「あざす」

 映画『余命10年』などの藤井道人監督による日台合作映画『青春18×2 君へと続く道』(5月3日公開)に主演する台湾の人気俳優シュー・グァンハンが来日し、27日に都内で藤井監督、ダブル主演を務めた清原果耶とともに記者会見を行った。



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 本作は、台湾でベストセラーとなっているジミー・ライの紀行エッセー『青春18×2 日本慢車流浪記』が原作。人生の岐路に立つ36歳の主人公ジミーが、初恋の女性アミとの“約束”を果たすため、彼女の故郷を目指して日本を旅するストーリー。日本(鎌倉・長野・新潟・福島)と台湾の両方で撮影を行い、18年の時を経てつながる初恋の記憶と一期一会を繰り返す旅路を美しくエモーショナルに描いている。



 最初のあいさつで「皆さんこんにちは、グァンハンです。おいしいごはん食べましたか?ありがとうございます」と日本語を披露したグァンハン。本作で日本を旅する主人公ジミーを演じ、昨年3月に日本で行われた撮影では、道枝駿佑、黒木華、松重豊、黒木瞳らと共演。日本語の台詞も多い役どころだった。会見では、いまも覚えている日本語をなるべく使おうとしている姿勢も垣間見えた。「はい」「楽しみ」「食べましたか」「おはようございます」などともに、覚えている日本語として挙げたのが「あざす」。



 「ありがとうございます」を略した言葉だが、じつは藤井監督の口ぐせ。グァンハンも「藤井さんから(教わった)」と言い、藤井監督は苦笑いで身を縮めていた。



 グァンハンは、2013年に俳優デビューし、主演を務めたドラマ『時をかける愛』(19年)で知名度と人気を一気に上げ、わずか半年間で10 社の広告モデルに起用されるなど大ブレイク。台湾の日刊紙「聯合報」によると、『時をかける愛』では65万台湾ドル(約235万円)だった出演料が、最高で800万元(約1億2400万円)に達し、約50倍にも高騰したと言われている。その人気はいまやアジアに広がっている。本作も今月14日より台湾で公開されているほか、日本、香港、シンガポール、マレーシア、韓国など10以上のアジアの国と地域で公開されることが決まっている。



 本作では、初恋に心躍らせる18歳の初々しさと、大人の魅力を漂わせる36歳のジミーを演じ分けており、「36歳のジミーは、2年後の自分はどうなっているかな、と想像しながら演じていましたが、18歳のジミーを演じるのはとてもチャレンジングでした。高校生の若者を演技をとおして見せることができるのか、考えながら役づくりに取り組んでいきました」と話した。



 「18歳と36歳を同じ俳優に演じてもらう」ことにこだわっていた藤井監督は、初めてグァンハンと面談した時に、「彼ならできるかもしれないと思いました。静かさの中にパッションがある人だと感じ、自分が脚本を書いていた時のジミーと重なりました。一緒に作っていく中で、18歳と36歳でいろんな変化を見せてくれて、完成したものを見て自分が一番感動したのを覚えています」とべた褒めだった。



 グァンハンは「この作品は、青春、ラブストーリーを描いているものですが、それだけではありません。大人の方に旅に出て、自分の過去を振り返る機会を提供してくれる素晴らしい作品ですので、ぜひ映画館でご覧ください」と見どころを語って会見を締めくくっていた。

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