『新プロジェクトX』新MCが意気込み 有馬嘉男「『昭和からの決別』を裏テーマに」

『新プロジェクトX』新MCが意気込み 有馬嘉男「『昭和からの決別』を裏テーマに」

 18年ぶりに復活するNHK群像ドキュメンタリー『新プロジェクトX 挑戦者たち』(毎週土曜 後7:30)の取材会が4月1日、東京・NHKで行われ、MCの有馬嘉男記者、森花子アナウンサー、制作統括の久保健一氏が登場した。



【写真】『昭和からの決別』を裏テーマにしたいと話した有馬嘉男



 有馬記者は個人的に「昭和からの決別」を裏テーマに掲げているといい、「新シリーズが取り上げるのは、平成・令和のプロジェクトを掘り起こして伝えていくのだから、新しい時代のプロジェクトはどういう価値観で、どんな人たちが実現してきたのか、そこを見ていくのは面白いのではないか」と話す。



 しかし、収録を重ね「そう簡単じゃないかっていうことが分かってきた」そうで、「結局大きなプロジェクトって、上司と部下の信頼関係だったり、時には自己犠牲をいとわないチームワークだったり、無償の家族愛だったり、あるいは友情だったり…そんな、いつの時代も変わらない人の思いが、プロジェクトを大きく動かしているんだなっていうことを改めて知った。だから、基本的には18年前のシリーズと変わらない。“努力は報われる”“きっと夢はかなう”。そう信じて頑張ってきた人たちのドラマを丁寧に掘り起こして、丁寧に伝えていきたい」と意気込みつつ、「とはいえ、個人的には『昭和からの決別』も、裏テーマとして持っていきたい」と語った。



 また、「平成・令和と、失われた30年じゃないですか。ものづくりで言えば、日本の敗戦の歴史とそのまんま重なってる30年でもあります。昭和の時代に勝ち取った世界でのポジションを失っていく。そして自信や活力をこう失ってしまう時代なので、美談とか、サクセスストーリーで溜飲を下げるってだけじゃなくて、30年の失敗や挫折からいっぱい読み取るべき教訓があると思う」と番組で伝える思いを語った。



 森アナは、水戸放送局に所属をした状態でMCを担当し、水戸放送局の業務、そして子育てを両立しながら番組に挑むといい「私自身も慣れない中で色々な挑戦をしながらこの番組と向き合っていきたい」と意気込み。



 続けて「この番組のMCとしてはもちろん、いち視聴者としてこの番組を通して、皆さんの知恵や工夫、働き方、考え方を学ばせていただいて、日々の生活に生かしていきたいなと考えています。番組をご覧いただいた皆さんが私と同じように、この番組を見てよかったと感じていただけるように頑張りたい」と語った。



 『新プロジェクトX』では、主にバブル崩壊以降の平成・令和で活躍したプロジェクトに光を当てるドキュメンタリー。主役は、旧シリーズと変わらず“無名の人々”。「失われた」と形容される時代にあって、ブレークスルーを成し遂げた人々には、どんなドラマが隠されていたのかを掘り下げる。番組の使用楽曲には引き続き中島みゆきが担当し、OP「新・地上の星」、ED「ヘッドライト・テールライト」となる。



 第1回放送は4月6日で「東京スカイツリー 天空の大工事 ~世界一の電波塔に挑む~」が放送される。
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