ジョン・レノンの元恋人メイ・パンが語る「失われた週末」 長男ジュリアンとの再会についての本編映像

ジョン・レノンの元恋人メイ・パンが語る「失われた週末」 長男ジュリアンとの再会についての本編映像

 英国の伝説的バンド「ザ・ビートルズ」のリーダーで、平和運動家としても活躍した時代を代表するスーパースター“ジョン・レノン”(1940-80年)。1970年にビートルズが解散した後のジョンには、「The Lost Weekend(失われた週末)」と呼ばれる時期がある。妻オノ・ヨーコと別居していた1973年9月から75年2月までの18ヶ月間のことだ。この間、ジョンはどこで何をしていたのか?それを知る人物によって明かされる“ジョン・レノンの素顔と真実”のドキュメンタリー『ジョン・レノン 失われた週末』が本日(10日)より劇場公開される。



【動画】ジョンとジュリアン、父と子の特別な時間(本編映像)



 「失われた週末」にジョンと行動を共にしていた女性がいた。中国系アメリカ人のメイ・パン。中国系移民の両親のもとニューヨークで生まれ育ち、ビートルズと関係のあったアブコ・レコードに就職。ジョンとヨーコによる前衛映画制作を手伝ったのを機に、2人のパーソナルアシスタントに指名された。そして73年、ジョンと共にニューヨークの自宅ダコタハウスを離れ、ロサンゼルスに旅立つ。それから1年半、ジョンにとっては特別な時間の連続だった。



 日本公開にあわせて解禁となったのは、ジョンと愛息ジュリアンと共に過ごしたかけがえのない時間を捉えた本編映像。愛息ジュリアンとの奇跡の再会を描いた、ファンならずとも垂涎の映像となっている。



 ジョン・レノンは生涯で2度の結婚を経験している。日本人アーティストの妻、オノ・ヨーコの存在は特に知られているが、ヨーコと結婚する約7年前に大学時代の同級生シンシア・レノンと結婚。ふたりの間に生まれたのがジュリアン・レノンだ。



 だが、ジュリアンが5歳の時ジョンはヨーコと出会い恋に落ちる。シンシアと離婚し、2人を置き去りにして家を飛び出したジョンに対し、当時のジュリアンは「僕と母は、捨てられたように感じた」と語り、落ち込んだという。沈んだジュリアンを見かねたポール・マッカートニーは彼を励ますために大ヒット曲「Hey Jude」を贈ったという逸話もある。



 1974年、ジョンとジュリアンに特別な瞬間が訪れる。メイ・パンの働きかけにより父と息子がロサンゼルスで奇跡の再会を果たすことになったのだ。まだ幼いジュリアンは長い間疎遠になっていた父に怖さを感じていたというが、メイが空気を和らげ、2人が話す機会を絶えず設けるようにして、親子関係を修復するために一役買ったのだ。



 当時を振り返る本編映像ではロングアイランドでのバカンスを楽しむジョンとメイ、そして幼いジュリアンの姿が収められている。「息子との関係も大切で、会える日を楽しみにしていた」というジョン。至福の時間を楽しむ2人を目の当たりにし「父と子の絆が深まる様子に深く心を打たれた」というメイの言葉と共に、船上の2人が笑顔で肩を組む様子や並んで海水浴を楽しむ姿が映し出される。ジュリアンにとっても思い出深い旅だったようで「僕もとても幸せだった。だから今でも海や船が好きなんだと思う」と話し、3人で過ごした特別なひと時を振り返っている。



 その後、ジュリアンは父の背中を追って音楽の道を志す。ジョンが「失われた週末」期間中の1974年にリリースしたアルバム『心の壁、愛の橋』の一曲「ヤ・ヤ」では、父と息子のセッションが実現し、ジュリアンはドラムを叩いている。このレコーデイングはジュリアンのためにジョンが特別にアレンジした。現在61歳となったジュリアンは紛争下のウクライナ支援を目的としたチャリティーイベントで父の代表曲「イマジン」を初披露。父との絆が生んだ奇跡のカバーに世界中が心を震わせたのは記憶に新しい。



 『ジョン・レノン 失われた週末』には、ジョンと愛息ジュリアンの奇跡の再会をはじめ、「失われた週末」と呼ばれる18ヶ月間には、ビートルズのメンバーたちとのセッションや音楽仲間との絆を深めるエピソードが満載だ。

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