
小林由美子、野原しんのすけ役「5年経った今でも試行錯誤」 ゲスト声優の松坂桃李を絶賛
人気アニメ『クレヨンしんちゃん』の主人公・野原しんのすけ(5歳)の声優に抜てきされ、今年7月で5年が経過した小林由美子。「もう5年、まだまだ5年。しんのすけは奥が深くて、『いまの発声は、5歳のしんのすけだっただろうか』とひと言、ひと言に向き合いながら、なかなか“これが私のしんのすけだ”というものをまだ見つけられず、5年経った今でも試行錯誤しています。これからも勉強していかなければと思っています」と話す。【画像】しん次元!しんちゃんたちの場面写真 「奥が深い」しんのすけは、今年シリーズ史上初の3DCG化で話題だ。公開中の映画『しん次元!クレヨンしんちゃん THE MOVIE 超能力大決戦 ~とべとべ手巻き寿司~』の制作期間 はなんと7年。小林も4年前から携わってきた。 「『クレヨンしんちゃん』といえば、2Dの権化みたいに思っていたので、3DCGになると聞いた時はびっくりしました。全く想像がつかなくて、どうなるの? 大丈夫かな?という気持ちが大きかったんです。通常の映画ではやらないようなこともしてきました。最初にキャスト全員で集まって本読みをしたのも初めての経験でした。その後、画も何もない状態でせりふを収録したり、口の動きを取り込むだけの収録をしたのは、すごく貴重な経験だったと思います。さらに、仮の画にあわせて収録して、最後の仕上げにもう1回。通常1回のアフレコで済むところ、計4回も音声収録をしました」 アニメーションを担当したのは、『シン・ゴジラ』や『STAND BY ME ドラえもん』を手がけてきた、CGのプロフェッショナル集団・白組。監督・脚本は、『モテキ』、『バクマン。』の大根仁で、初のアニメーション監督を務めた。 「3DCGならではのしんちゃんのほっぺのぷにぷに感だったり、お尻のプリプリ感だったりが倍増していて、初めに抱いた不安は全くの杞憂(きゆう)でした。皆さんおなじみの2Dのしんちゃんの良さをしっかりと汲み取った上で、あれ? これ、しんちゃんの映画だっけ?と一瞬思うぐらい、新しい要素がいろいろ含まれています。例えば、カンタムロボのかっこよさというのを、今回改めて感じました。CGだからこそできる迫力のあるアクションシーンが盛りだくさんに入っていて、つい前のめりになって観てしまいました」 本編冒頭、逃げるしんちゃんをみさえが追いかけていく、しんちゃんの日常の風景も、3DCGの本作ではひと味違う。スピーディーで滑らかな動きは、ハリウッドの“インポッシブル”な超大作のアクションを彷彿とさせる迫力があった。 そして、今作でしんのすけが対峙するのは、黒い光を浴び、暗黒のエスパーとなった非理谷充(ひりや・みつる)。バイトは上手くいかず、推しのアイドルは結婚、さらには暴行犯に間違われ警察に追われていた彼は、不思議な力を手に入れたことでこの世界への復讐を誓う。非理谷を演じているのは、俳優の松坂桃李。 「毎回ゲスト声優の皆さんは素晴らしい方たちばかりですが、今回の非理谷くんは飛びぬけて難しいキャラクターだったと思うんです。声にはその人の姿勢や思いが表れ、伝わるものです。映画冒頭の非理谷くんの声には、世の中に対する不満をため込んでいる感じが出ていました。そんな彼が、突然超能力を手に入れて、暗黒面に堕ちていく。さらに、しんのすけと会話することによって、少しずつ自分を取り戻して、前向きになっていく。その変化を声で表現するのはものすごく難しかったと思うのですが、それを見事に演じ切っていらっしゃったと思います」 ド派手なアクションも、おバカなギャグも満載の本作では、子どもたちの未来や大人たちの責任にも言及した奥の深いストーリーが展開する。 「今回、『頑張れ!』と言うせりふがたくさんが出てきます。『頑張れ!』と言われるとちょっと重い、もう十分頑張っている人に『頑張れ!』と言うのはNG、といった風潮もあると思うのですが、それでもやっぱり、『頑張れ!』と心から応援してもらえたら、人って踏ん張れるんだなと思いました。しんのすけとしては珍しいくらい非理谷くんに寄り添って、『頑張れ!』、『今、あきらめちゃダメだ!』と呼びかけ、『オラも頑張る』場面があるのですが、純粋に『頑張れ!』と人を応援する気持ちの大切さを、今回のしんのすけは教えてくれているように思いました。この作品が子どもたちへのエールとして届いてくれたら本当にうれしいです」 『しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 ~とべとべ手巻き寿司~』は全国の映画館で公開中。
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