【日本アカデミー賞】妻夫木聡、新人俳優賞受賞者にエール「映画は裏切らない」

【日本アカデミー賞】妻夫木聡、新人俳優賞受賞者にエール「映画は裏切らない」

 「第47回 日本アカデミー賞」授賞式が8日、東京・グランドプリンスホテル新高輪にて開催され、新人俳優賞を受賞した、市川染五郎(『レジェンド&バタフライ』)、黒川想矢(『怪物』)、高橋文哉(『交換ウソ日記』)、柊木陽太(『怪物』)、アイナ・ジ・エンド(『キリエのうた』)、桜田ひより(『交換ウソ日記』)、原菜乃華(『ミステリと言う勿れ』)、福原遥(『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』)が登壇した。



【個別ショット】華やかなドレスで登場した福原遥、アイナ・ジ・エンドら



 同賞は、原則として映画初出演ではなくとも、主演・助演クラスの大役を演じ、印象を与えた俳優を対象としている。



 プレゼンターを務めたのは、前回、最優秀主演男優賞を受賞した妻夫木聡(『ある男』)。「僕は、今年で俳優になって25年。一つの映画で人生を変えることはできるのか、とたまに思う。僕はできると思っています。映画にはその力があると思っているし、そう信じたいです。人生に答えはないけれど、映画という存在が答えの道しるべになるんじゃないかと思っています」と、俳優の先輩としてメッセージを送った。



 続けて「素晴らしい映画をつくるために、僕たちは向き合わなければいけない瞬間があります、孤独な時間になるし、つらい瞬間もある。でも忘れないでほしいのは、映画は絶対に裏切らないということ。そして、皆さんのうしろに僕たちがいます。精いっぱい芝居をこれからも楽しんでいってください」。妻夫木の感動的なスピーチに会場は大きな拍手に包まれた。



■市川染五郎のコメント

 うれしく思っております。森蘭丸という役をやらせてもらいましたが、10代のうちにしかできない役なのかな、と思っておりまして、10代のうちに出会えてうれしく思っています。



■黒川想矢のコメント

 僕はいま2つの自分と闘っています。『怪物』で湊役を演じられたのは、是枝監督はじめ、たくさんの方々のサポートや運でしかないと思う僕と、このような晴れやかな舞台に立たせていただいたり、賞さんの声をたくさんいただいたりしているうちに、まるで自分の力でやりとげたと勘違いしてしまいそうになる自分です。この闘いは長く続くと思いますが、僕は毎回この感情の闘いに打ち勝って常に優しい人間であり、俳優でありたいと思います。



■高橋文哉『交換ウソ日記』

 僕はここいる人間の中で芝居においては一番の赤ちゃんだと思っています。まだまだ伸びしろがたくさんあるって。僕は芝居が好きです。芝居で役を生きている自分が、もはや自分なんじゃないかと思うくらい自分らしく感じます。先輩方がつくりあげてきた映画界の道を自分らしく全速力、エンジンフルで走り抜けて、またここに立ちたいと思います。支えてくださった皆さん、映画を観てくださった皆さん、この世で高橋文哉の名前を知って下さっている方すべてに感謝を申し上げます。



■柊木陽太のコメント

 素晴らしい賞をいただきありがとうございます。是枝監督、スタッフさん、俳優の皆さんたちと頑張って撮影した作品がこのような大きなものにつながったことをうれしく思います。初めて出演した映画が『怪物』という作品で本当にうれしいですし、星川依里を演じられて幸せでした。この先も俳優をやっていく上で越えなければいけない壁も感じいます。ここで立ち止まらずに、前を向いて着実に積み重ねてたくさんの方の心を動かせるお芝居をして、またいつかこの場所に戻ってこられるように引き続き頑張りたいと思います。『怪物』を愛してくれた皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。



■アイナ・ジ・エンドのコメント

 今回は岩井俊二監督に見つけていただきました。拾っていただきました。自分がお芝居や映画の世界に飛び込むことは不安で仕方ありませんでした。もう曲が作れないですと岩井さんに泣きついたこともありました。でも、広瀬すずさんや松村北斗さんが私のお芝居の教科書のように背中からいっぱい波動を出してくれて、お芝居って楽しいのかもしれないと教えてくれました。私の心はいつもヒリヒリしていたけど、『キリエのうた』で生きていていいんだ、このまま魂を宿して歌っていければいいんだって、教えていただきました。よかったら『キリエのうた』をたまに思い出していただけたらうれしいです。



■桜田ひよりのコメント

 この賞をいただけてうれしく思っております。私はこの世界に入って16年経ちました。ここまで支えてくれた家族、友人、事務所の方、関係者の方々、私を応援してくださっている皆さん、本当に感謝しかりません。私はここからがスタートだと思っています。これからも役と作品に丁寧に向き合って生きていこうと思っています。



■原菜乃華のコメント

 こんなに素晴らしい賞をいただけるなんて思っていなくて、夢のようです。『ミステリと言う勿れ』という作品を一ファンとして、毎週楽しく観させていただいていたので、撮影中、自分なんかでいいのか、という思いがあったんですが、松山監督、菅田将暉さん、そのほかのキャストの皆さん、スタッフの皆さんが本当にあたたかくて、何度も助けていただいて、演じることができたのかな、と思っています。



■福原遥のコメント

 『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』の原作者、汐見夏衛先生、スタッフの皆さま、キャストの皆さまのお力があって、この場に立てていると思っておりますので感謝しております。私ごとではあるのですが、小さい頃からこのお仕事をさせていただいている中で、誰よりも応援してくれていた祖母が先日亡くなってしまったのですが、小さい頃から祖母といつかアカデミー賞という場に立てたらいいね、と夢見ていたので、他界する前に素敵な報告ができて、本当に喜んでもらえたのが、自分自身すごくうれしかったです。素晴らしい賞をいただき感謝の気持ちでいっぱいです。これからも役と作品と自分自身としっかり向き合って、少しでも皆さんの心を動かすお芝居ができりょうに精進してまいります。また、この場に来られるように頑張りたいと思います。
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