鈴木亮平&森田望智、シティーハンターバディの異なる役作り 声優・神谷明&伊倉一恵も絶賛

鈴木亮平&森田望智、シティーハンターバディの異なる役作り 声優・神谷明&伊倉一恵も絶賛

 「念願だった」という鈴木亮平が主人公・冴羽リョウを務めるNetflix映画『シティーハンター』の配信がスタートした。クオリティーの高さと“シティーハンター愛”に溢れた作品は大きな反響を呼んでいるが、このたびリョウを演じる鈴木と槇村香役の森田望智、さらにアニメ版でリョウを演じる声優の神谷明、香を演じる伊倉一恵の4ショットインタビューが実現。実写版『シティーハンター』について語り合った。



【動画】冴羽リョウと槇村香を演じあった4人が『シティーハンター』の魅力を語りつくす座談会!



■クオリティーが高すぎる実写化「新宿の街に本物のリョウがいる」



――神谷さんと伊倉さんは実写版『シティーハンター』をご覧になってどんな感想を持ちましたか?



神谷:新宿の街に本物のリョウがいる!かっこいい!というのが第一印象でした。



伊倉:私も本当にそう思いました。「リアルなリョウと香が新宿にいた!シティ―ハンターがいた!」って興奮しました。本当に2人ともピッタリ。素晴らしいキャスティングでした。



神谷:リョウと香だけではなく、(安藤政信演じる)槇村も、(木村文乃演じる)冴子も印象通りでした。



森田:香を演じた身ですが、お2人が話されるとリョウと香に話しかけられたみたいな錯覚になります。



伊倉:(森田に)本当に会いたかったんです。今日やっとお会いできてうれしかったです。



森田:私もです。恐縮しちゃいます。



――作品を観ていると、本当に“シティーハンター愛”を感じるリョウと香でしたが、演じるうえで意識したことは?



鈴木:僕は最初、なるべく神谷さんのリョウをイメージされないような、自分ならではの冴羽リョウを演じたいなと思っていたんです。でも台本にリョウちゃんのセリフが描かれていると、やっぱり神谷さんのリョウ以外の言い方にならない。(神谷の声を真似して)「もっこりちゃん」はやっぱり「もっこりちゃん」なんですよ(笑)。だからもう、途中からはあまり意識しないで、好きなように演じちゃいました。



伊倉:神谷さんの声やセリフ回しに似ているところがあったよね。特に叫ぶシーンとかって、すごく似ているなと思いました。



森田:でもなんで神谷さんの声を遠ざけようと思っていたのですか?



鈴木:今回のリョウはアニメ版と衣装も顔も違うので、声が神谷さんに寄ってしまうと、違いが余計際立ってしまうかなと思って。でも無理でした(笑)。



伊倉:まあしょうがないよね。ちゃんと高尚に「もっこりベートーヴェン」歌っていたしね。



鈴木:おかげさまで、「もっこり歓喜の歌」を歌わせていただきました(笑)。



森田:もっこり、もっこりばっかり(笑)。



鈴木:リョウが登場してから「もっこり」を何回言ったか数えたんですよ。40秒で17回言っていました(笑)。



森田:私は亮平さんと逆でした。自分とみんなが思い描いている香ちゃんが遠すぎると思ったので、どうやったら近づけるだろうということをすごく考えていました。でも一方で、生身の人間が演じるわけで、リアルさも大切にしたい。そのさじ加減は難しかったです。



伊倉:とても可愛い香ちゃんで、すごくうれしかったですよ。



森田:ありがとうございます。伊倉さんにそう言っていただけると、ものすごく安心します!



神谷:今回の作品はリョウと香の出会いが描かれているので、ここから2人のリョウと香を育てていったらいいと思いますよ。



伊倉:そうよね。パートナーになるまでのドラマを丁寧に作ってくださったなと思いました。劇中に「あんたには新しい相棒が必要だ」ってセリフがあるのですが、あのシーンすごく好きでした。



鈴木:その直後に初めてお互いが「リョウ、香」って呼び合うんですよね。



森田:そこまではずっと「あんた」って呼んでいましたからね。あのシーン、亮平さんが強いビジョンを持っていて、アドバイスをいただいたのを覚えています。



鈴木:初めて「リョウ」と呼ばれる場面だったので、するっと流れていってほしくないなという思いがあったんです。観ている方に、これから我々の知っている『シティ―ハンター』になっていくんだということを感じてもらえるといいかなと。



伊倉:でもこの作品の香ちゃんって、お兄さんが亡くなるなど、とてもいろいろな感情が渦巻いているキャラクターだったので、すごくいい表情がたくさんありましたよね。香の表情や仕草を観ているだけでも感情移入できますよ。



神谷:ストーリー展開もすごくおもしろい。僕なんか見事に騙された(笑)。ひっかけが結構あるんですよね。何度観ても楽しめる作品になっています。



■子どもの頃から憧れた、リョウの“ミニクーパー”



――そんななかで神谷さんが気になったシーンはありましたか?



神谷:リョウちゃんの乗っているミニクーパーは小さいので、本当に乗れるのかなと。アニメだと海坊主も普通に乗っているけれど、実写だとどうなんだろうって。



鈴木:あの車は良くできていて、中は見た目以上に広いんです。意外と普通に運転できるんですよ。多分、海坊主が乗ってもいけると思いますよ。



伊倉:ミニクーパーって中が広いんだね。



鈴木:運転していても楽しいですよ。おもちゃを走らせている感じで(笑)。あんな可愛い車に乗っているリョウというギャップがいいんですよね。



森田:当時のミニクーパーがまさか出てくると思わなかったです。



鈴木:実は撮影後に「買い取りますか?」と聞かれたんです。子どものころからあのミニクーパーに乗るのが夢だったので、本当に「買いたい」って思ったのですが、この作品をやった後では、街であの車から僕が出てきたらちょっとやりすぎだろうなと(笑)。あと僕は無精なので、メンテナンスとかもちゃんとしなければいけない車だし、泣く泣く諦めました。



――それは街中で見かけてみたかったですけどね(笑)。アクションもふんだんに行われていますが、いかがでしたか?



神谷:アクションシーン。銃撃戦での亮平くんのガンさばきかっこよかった!



森田:私も間近で見ていて、すごくかっこよかったです。



伊倉:敵の事務所に飛び込んでいって、バラバラに分解して弾を出しちゃうところなんて、何気ないシーンだけれどすごく良かった。



鈴木:あのシーンは、実は一番練習しました。手慣れていないといけないので…。あのシーンを何気なくサラッとやることで、どれだけシティ―ハンターってすごい人なんだ…ということを伝えたかったんですよね。



■「冴羽リョウの役は僕しかできないと思っていた」(神谷明)



――続きを連想させるラストでした。今後のリョウと香の関係性も楽しみですが、鈴木さんと森田さんから、神谷さん伊倉さんに聞いておきたいことはありますか?



森田:香ちゃんを演じるうえで、心掛けていることや、声優さんとしてお芝居をするうえで大事にしていることはありますか?



伊倉:香に限らずですが、気持ちの流れがうまくドラマに乗ればいいなと思っています。しっかりとドラマに集中できるように体調を整えて。キャラクターに没入できないと、あまりうまくいかないですからね。



鈴木:伊倉さんが香に選ばれたときって、キャリア的にどういう立ち位置だったのですか?



伊倉:声の仕事はちょぼちょぼとしていましたが、こんな大きな役についたことはなかったですね。



森田:私インタビューを拝見したのですが、二日酔いでオーディションに行かれたって。



伊倉:ねー。飲んじゃった(笑)。久しぶりで、もう滅多に会えない人に会っちゃったら…飲んじゃうかなぁ…香も。でも、余計な力が抜けて良かったかも…。



鈴木:僕から聞きたいのは、アニメが最初にオンエアされる直前というのは、どんな心境だったのですか?すでに『シティーハンター』のファンってたくさんいらっしゃいましたよね。



神谷:正直自信はありました。冴羽リョウの役は僕しかできないと思っていたんです。そんな図々しい気持ちになれたのは最初で最後かな。僕のキャリアをすべてつぎ込んだキャラクターだったので。良い反応をいただけるのでは…という思いでした。でもオンエアが近づくにつれて、その自信が段々と揺らいでいく(笑)。そんな感じでしたね。



伊倉:北条先生の物語がおもしろいから「間違いない」と思っていました。アニメの放送よりも、2019年に公開された『劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ』や2023年公開の『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』の方が、公開前はドキドキして胃が痛くなりましたね。若いころは図々しかったんだと思います(笑)。



神谷:僕らは与えられた絵があって、そのなかで自由に遊んでいる感じだったから。でも実写でやると考えたら、とてもできない。それをお2人はやられたのですから、すごいことをやったなと。生身の人間であの振り幅を演じなければいけないなんて思っただけでも心臓が凍りそうです。



伊倉:もっこりショーも最高でした。手足が長いから美しいですよね。すごく間抜けなことをやっているのに、まったくいやらしくない。



神谷:色気もあって不自然さもない。本当に素晴らしかったです!



取材・文/磯部正和

写真/山崎美津留

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