
米津玄師「Lemon」MVを手がけた山田智和が長編映画監督デビュー
今年3月にのYouTubeでの再生回数が8億回を突破した米津玄師の「Lemon」のミュージックビデオ(MV)を手がけた山田智和(35)が、来年(2024年)春に公開予定の映画『四月になれば彼女は』で、長編映画監督デビューを果たすことが明らかになった。【画像】もう一枚の“ウユニビジュアル” 山田は、日本大学芸術学部映画学科映像コース卒業後、「Lemon」のほかにも、サカナクション「ナイロンの糸」、あいみょん「マリーゴールド」、藤井風「青春病」など名だたるアーティストのMVや、NIKE・JORDAN・TOD’S・PRADAなどの広告映像、ショートフィルムなどを数多く手がけ、その抜群の映像美と人間の様を生々しく描き出すセンスで、今もっとも注目されている映像作家。これまでに、『浮かび上がる』『HOPE』『Somewhere in the Snow』などのオリジナル短編作品を発表してきた。 映画プロデューサーで、原作者でもある川村元気が「音楽と共に、現代の都市と人間の姿をこれほどまでに感性豊かに描く映像作家は世界でも稀有(けう)だと思っています」と、以前より制作を共にすることを熱望し、自身の小説の映画化を託すことになった。 山田の卓越した感性に寄り添ったのは、これまで映画『新聞記者』(19年)、映画『余命10年』(22年)などのヒット作で藤井道人監督とタッグを組み、神秘的な映像センスで、若手屈指の実力を誇るカメラマン・今村圭佑。監督の山田と同じ35歳で、米津の「カムパネルラ」やあいみょん「桜が降る夜は」のMVでもコンビを組み、世間を賑わせた。学生時代からの盟友である2人が本作でどんな科学反応を起こすのか、期待が高まる。 昨年3月27日~5月10日に国内で撮影を行い、今年1月12日~24日にチェコ(プラハ)、アイスランド(レイキャビク)、ボリビア(ウユニ)で海外ロケを敢行し、オールアップ。総移動距離は地球1周分を越える4万5千キロに及び、壮観な映像美にこだわり抜いた。山田監督は「素晴らしいキャスト・スタッフに支えられて、一つ一つの光と向き合った撮影はとても刺激的な時間で、今も頭から離れない景色たちばかりです。来年の公開を楽しみに待っていていただけると幸いです」と、コメントを寄せている。 原作『四月になれば彼女は』(文春文庫)は、すでに発行部数30万部のベストセラーとなっている恋愛小説。主人公の藤代俊の元に、10年前に交際していた初恋の女性・伊予田春から手紙が届く。時を同じくして、藤代の婚約者である坂本弥生が突然姿を消してしまう…。なぜ春は手紙を書いてきたのか? なぜ弥生は姿を消したのか? 2つの謎はやがて繋がっていく――。過去と現在、東京そしてボリビアのウユニ、チェコのプラハ、アイスランドなど世界各国を舞台に、愛する人の姿を探し求める切なくも壮大な愛の物語。 川村は「35歳の若い感性で紡がれた、まるで美しい音楽のような映画になるでしょう」と、期待感を口にした。なお、音楽は、サザンオールスターズ、Mr.Childrenをはじめ数々のプロデュース・作詞・作曲で名曲を送り出し、『スワロウテイル』『ラストレター』など岩井俊二監督作品の映画音楽も手がけてきた小林武史が担当する。
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