つぐもも 九本目「手紙」【感想レビュー】
前回は健全回と不健全回が入り混じったとてもカオス&エロスなお話の印象が強かったのですが、今回は打って変わってシリアスで切ないお話です。久しぶりのガチバトルも期待できるでしょうか? 放送から大分過ぎてしまいしたがタイムシフトでも見られるアベ◯TVマジ感謝!ということで第9話のレビュースタートです。■つぐもも 九本目「手紙」のあらすじ生徒会室に呼び出されたかずや一向は、ただたかから校内で起きている不思議な事件について調査を依頼される。それは2年前に学校で自殺をした名護という女生徒が、いきなり関係者の前に現れて『手紙はどこ…?』と尋ねるという、奇怪な内容であった。■かずやの休みのない1日能面をつけたくくりを相手にトレーニングを重ねるかずや。しかし、相変わらず肝心のところで動きがもたもたしてしまっている。「編み代えの時間がかかりすぎじゃ」と桐葉も弱点を指摘。 「編み技の基礎練習100本じゃ!」今日も桐葉姉貴の修行は続く。こんな生活を毎日、しかも朝と夕方に桐葉にしごかれているかずや。ちょっと意味深な言葉にも聞こえてしまうのがつぐももならではだが、それは置いといてもさすがにかずやもクタクタである。そんな中、校内放送で生徒会室に呼び出しをされるかずやと治、そしてちさと。この3人で生徒会室への呼び出しなんて、どう考えても「あの件」であろう。生徒会室に入るや否や、急に眩しい世界が!と、中にはずっこけてカツラが取れた生徒会長、只田ただたかの姿が。なぜカツラ?そしてなぜつるっ禿げに!?特に説明もなく淡々と進めるただたかに思わずツッコミを入れるかずやさん。こうなった原因については、桐葉が説明をする。といっても、視聴者の私たちには既に周知の内容で、ただたかがつるっ禿げになったのは、第1話でかずやを襲った際に出たあまそぎの『すそ返し』によるもの。前回の四郎があまそぎの宿ったフレグランスを使い、かずやがそれを破壊した結果、一週間四郎は殺人兵器体臭男になっていたものと同じ。もしかしたら前回の話はこの手紙話のあとのことなのかもしれないが、そこはまぁそこで。ただこのすそ返しもあまそぎの強さによって変わるようで、ただたかが全身ツルッツルになってしまって(多分あそこの毛も落ちたのだろう)いても、いずれは復活するそうなのだ。■学校のななこ不思議話は本題に戻る。今回ただたかが3人を呼んだのは、当然学校内に奇怪な事件が発生しているからだ。 元1年5組の子が一人でいると、何事かを質問する女生徒が出てきているという。「不気味なことをするなと一喝すればよかろう」と呆れる桐葉だが「名護えいこはね、2年前に死んでいるんだ」霊的な存在がいない以上、あまそぎの可能性は高いと推察する桐葉。スピリチュアルさで言えばあまそぎも同じなんだよなぁ…とは思うが、この世界にはいわゆる妖怪や幽霊や宇宙人や未来人や超能力者はいないのであろう。ただたかも同様に考えていたことから、3人に調査を依頼したというわけだ。早速、桐葉とただたかを含めた5人の聞き込みが始まる。聞き込みで得られた情報は以下のとおり。・自殺場所は学校の屋上で、上履きのみがあり遺書はなかった ・もともと内気な性格だったが、自殺する少し前は急に明るくなった ・仁科優一という男子生徒のファンクラブに入っていた ・スポーツ万能で頭のいい妹がいる ・1年の奈中井ななこという女生徒がこの件で聞き込みをしている情報を共有し、ファンクラブの線をあたりつつ奈中井にも話を聞こうと考えるただたか。そんな隣では、今回の騒動について聞き出そうと押しかけ取材をしている女生徒がいた。「もしかして、新聞部の奈中井ななこさん?」「学校の階段ですよー!取り立ててなんの特徴もないこの学校で、急に起きた幽霊騒動!燃えない方がどうかしてますよー!黒と紫がかった髪、この能天気な言動、中の人が広橋涼さん…どう見ても北海道のファミレスで仕事をしない研修生にしか見えない。山田ァ!仕事もせず(違う)何をしていたかというと、情報にあったファンクラブについて、元1年5組の越坂部に聞き込みをしていたそう。そこから突如聞こえる悲鳴。部室棟から越坂部が怯えながら出てくると、そこには探していた名護えいこが越坂部の目の前まで近づく。『手紙はどこ?』急いで名護を捕まえるよう指示する桐葉と、帯繰りを出して先制するかずや。しかしすんでの所で髪によるガードで防がれてしまい、その場から逃げられてしまった。「愚か者ー!」といつも通り説教兼お仕置きをくらうかずやと、一連の流れに興味津々なななこ。そんなことより、彼女の言っていた『手紙』とは?あのあまそぎは『髪鬼』というものらしい。以前ただたかが操られていたのはカツラだったのでいわゆる『髪鬼もどき』だったが、今回は本物の理髪に宿ったものらしい。しかし、今回操られているのは既に故人となった名護。死人に宿るわけがなく、桐葉は他に生きているものがいると考える。そして一連の状況を知った上で、今回の騒動のきっかけとなっていることを話せと暗に越坂部に問いかける桐葉。さすがの越坂部も参って、話を始める。簡単にいうと以下のとおり。・仁科というイケメンが入り、女生徒同士でキャーキャー言ってファンクラブを作った。 ・お互い抜け駆けなしという条件だったが、仁科の方から名護に近づいてきた。 ・そして越坂部はファンクラブを脱退。名護は嫌がらせを受けた。 ・自殺の第一発見者がいじめの首謀者の村月だった。…なんという恐ろしい女性社会。男はこういうところはハッキリ言っちゃいますもんね。重要参考人はいじめ首謀者の村月。奈中井も聞きに行ったそう。髪の生え際がぴっちりとした生徒会の子が資料を持ってき、ただたかはその資料を見始める。相変わらずアニメや漫画の生徒会は謎の権力を持っていらっしゃる。ただたかが探しているのは名護えいこの妹。全校生徒の名前を正確に把握しているただたかでも見つけることはできなかったのだ。理由は簡単。事件後に両親は離婚し、名字が変わっていたためだった。そして妹の現在の名前は…画像引用元:©浜田よしかづ・双葉社 / つぐもも製作委員会■姉妹の思い時間は変わり、場所は夜の公園の通り。さっきアイキャッチ前に帯車の姿で街中を駆け巡ってこの時間かよとか、アイキャッチに出た2人と影がもはやネタバレだとかは気にしてはいけない。いつものことだ。名護が現れた先には、かつて名護をいじめていた首謀者の村月が。髪を操って手紙のありかを聞き出す名護と「遺書なんて知らない!」と言う村月。ツッコミはry「ちょーっと待ったー!!」ギリギリのタイミングで名護を見つけ出したかずやが村月を助ける!そして「出てくるんだ、奈中井ななこさん!いや、名護ななこさん!!」そう、名護えいこの妹の名は「ななこ」だった。木の陰から姿を出したななこは、素直に今回の騒動の発端を話し始める。遺髪に宿ったあまそぎを使い、当事者を襲えば事件の真相を知ることができるかもしれない。それが理由だと言うが、桐葉はそこに疑問を抱く。なんでも髪鬼は『所有者と故人が同調して生まれるあまそぎ』だそう。つまり、ななことえいこには共通する目的が別にあるのではないか、ということだ。続けてななこは、唯一えいこが喋る『手紙』の真相を探していた。それは村月の言った『遺書』がなんなのか、ということ。観念した村月も事の真相を伝える。これも簡単に言うと・本当は仁科も名護も両思いだった。でも名護は周りを見て遠慮した。 ・いじめていたのは純粋に嫉妬。でも本当は応援したかった。 ・名護の性格が豹変したのは仁科に告白する前。告白する寸前の姿を村月は見ていたが ・その後謝ろうと屋上に上がっていったが、その時には飛び降りていた ・遺書を隠したのは、自分たちがいじめていたのが原因で自殺したのではないか。またそれが遺書に書かれているのではないかと考えてしまったため。…まぁいじめてしまったのは、年端のいかない青春期だからと言える部分もある(全くもって許していい話ではない)が、動機が動機でも遺書を隠すのはあかんでしょう…。その遺書は怖くて捨てることも中を見ることもできず、ずっと村月が保管しているままらしく、すぐに遺書を取りに行ってななこに渡していった。その間かずやとななこ・えいこは何をしていたのかは知らないです。遺書にはこう綴られていた。かいつまんで言うと・これを見ている頃には既にこの世にいないだろう ・自分は好きな人に告白する勇気も、いやがらせに嫌と言う勇気もない臆病者で、そんな自分が嫌だった。 ・そんな時、自分の胸上あたりに黒い腫物がでてきた ・その腫物は次第に大きくなり、顔のような形になっていった。 ・いつしかその腫物は「自分の本心」を喋るようになる。それからは本音を言えるようになり、生活が一変した。 ・腫物は『お前の願いが叶ったら消える』と言った。念願の告白に成功して無事願いは叶ったのだが、それでも腫物は消えず、『ある人に仁科を奪われないようにしろ』と言い、願いは完全に叶ってはいないという。 ・その人は『妹』。心の底で、なんでもできる妹へ嫉妬心を抱いてしまっていた。 ・でも妹は本当に好きだから、どうにもすることはできない。この性格が豹変したのはこの腫物が原因であり、だから告白することができた。しかし心の中では「妹に取られるんじゃないか」と思ってしまい、そこを腫物が自らの本音を言わない代わりに『妹を消す』ことが、腫物を消す条件になってしまった。でも妹に手をかけることはできないから、自らで命を絶った、ということ。事の真相を知って絶望するななこ。そりゃ間接的とはいえ、姉が自殺した理由が自分にあるわけだから、その心境は察せるところだ。その瞬間、本当の目的に気づいた桐葉はかずやを呼ぶ!目の前には姿が豹変し始めているえいこの姿。このあまそぎは2年前の『腫物の「妹を消す」』目的も果たすように動いているため、腫物ごと再現をしてしまっていた。そしてこの遺書を見せたところでななこが「自分が消えれば良かった」と強く思わせることでパワーアップしてしまったという。■男かずや、髪鬼との決戦!画像引用元:©浜田よしかづ・双葉社 / つぐもも製作委員会髪の巨人と化したえいこが、ななこに近く。さすがにやばいと桐葉はかずやに逃げろと言うが「逃げられないよ、ななこさんを置いてなんか。僕が解決しなきゃ、ダメなんだ!!」すそを集めてしまう自身にも責任があるし、かずやの正義感が「自分だけ逃げる」なんてことを許すはずがない。 勇み足ではあるが、帯で作った槌で髪鬼に攻撃をする。「そんなに死にたいか馬鹿者!しょーがない付き合ってやる!」髪の毛がゴンさんみたく、また姿も筋肉質な人間の姿になった髪鬼。帯の盾を2枚綴りにしても、いともたやすく壊されてしまうほどの強靭なパワー。かずやが倒してしまえばななこにすそ返しがきてしまうのではないかと危惧するが、今はそんな余裕もないと桐葉。まずはななこの命を守ることが最優先。「お前の弱点は、編み代えに時間がかかりすぎることじゃ。今こそ克服してみせろ!」 「はい!」帯突きで髪鬼にパンチのラッシュを食らわせる!まだ足りないと、攻撃のスピードはさらに加速していく。 ガードに徹していた髪鬼だが、一瞬の隙を作ってしまう!その瞬間に「らせんつづり!」ただたかの時と同じらせんつづりが髪鬼を一突きし、見事髪鬼は『ななこちゃん…』の最後の一言を放ったのち、砕け散っていった。絶望の中、ななこはまだ泣いていた。そこに桐葉が喝を入れる。 「姉は自らの生み出した腫物に打ち勝った!」 「姉にはわずかな翳りがあったところで、お前への愛が強かったのじゃ」 「自分が死ねば良かったと考えるな。それは姉の犠牲を無駄にすることになる。良いな」腫物を生み出したのは確かにえいこ自身ではあったが、それでも妹への愛は本物だった。だから妹を傷つけまいと、自らの命を絶ってまで守った姉の思いを否定するな、ということ。 ななこはすすり泣きながらも「…はい」と言葉を噛みしめる。そして桐葉は、続けてかずやに「今回の帯繰り…悪くなかったぞ、ほめてやる」と珍しいお褒めの言葉。デレ期ではないと思う。「じゃがな、わしが逃げろといったのに逆らいおったなーー!!!」まぁ、いつもの説教が始まったのでした。そしてその後ろには、小さい子に、赤髪の巨乳がひっそりとかずや達を見ていたのでした。■久々のシリアスなバトル展開!ここ最近はエロやギャグ要素の多い展開で、最初のくくりと戦ったあの世界はどこに行ったのかと懐かしんでいましたが、今回の話は久しぶりに見入ってしまう重厚感のあるお話でしたね!数週間前なんか少女の貞操をかけた神経衰弱をしていたアニメですよこれ?このシリアスとギャグのバランスがあってメリハリのある展開がたまりません。ここからストーリーも最終局面に向かうのでしょうか?原作が19巻くらい出ているものなので、どこまでをアニメにするのかが気になるタイミングにもなってきましたね。それでは、10話のレビューに続きます。つぐもも 感想レビューのまとめ(あにぶ編集部/頭皮パッション)
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