八代亜紀さん、お別れの会は公演形式 ナレーションは八代さんの声をAIで“再現”
昨年12月30日に73歳で亡くなった歌手の八代亜紀さんを偲ぶ『八代亜紀 お別れの会 ~ありがとう・・・これからも~』が26日、東京・片柳アリーナで開かれた。生前ステージ復帰を熱望していたという八代さんの想いを実現するため、コンサート形式で執り行われ、ナレーションは音声合成技術によって生成された八代さんの声が流れた。【写真】華やか!八代亜紀さんが実際のコンサートで使用していた衣装たち 八代さんは2023年9月、膠原(こうげん)病の一種で指定難病の抗 MDA5 抗体陽性皮膚筋炎と急速進行性間質性肺炎を発症。療養を続けていたが、昨年12月30日に永眠した。 お別れの会は、八代さんの想いを実現するため、コンサート形式で執り行われた。会場は、八代さんのコンサートを開催することが検討されていた日本工学院専門学校が保有する多目的施設の片柳アリーナ。お別れ会の制作・運営には、音楽業界を志す同校の学生有志も参加した。 祭壇となった“ステージ”には、コンサートで実際に使用していた美術セットが組まれ、献花台には八代さんが好きだった胡蝶蘭、薔薇、好きな色の紫のカーネーションなどで装飾された。戒名は艶唱院釋信譽明煌清大姉(えんしょういんしゃくしんよみょうこうせいだいし)。遺影は2018年に撮影されたピンクドレス姿の写真。最後の演目のみ、2015年に撮影されたプライベートショットが飾られた。 午後1時開演の第1部には、アーティストや関係者、後援会会員が参列した。バンド生演奏に八代さんの生前の歌唱音源を乗せ、コンサートでのMCやAIの音声合成技術を活用して生成された八代さんの声によるナレーションが流された。 開演直後には八代さんの声で「皆さん、お元気でしたか…八代亜紀です。今日は、私のためにわざわざお出かけくださって、本当にありがとうございます」と参列者に呼びかけ。「昨年暮れ、残念でしたが、長い歌手人生に終止符を打ちました。苦しい時も楽しい時も心の支えになったのは皆さんからの声援でした。感謝の気持ちでいっぱいです」とメッセージ。 「今日は『ありがとう…そしてこれからも』そんな思いを込めた集いになればと願っています。どうぞ思い出話などしながらなごやかなひと時をお過ごしください」と伝えられた。 これらのナレーション音声は、八代さんが自身の声を残したいと希望し、2020年に「声辞書」を作成するために必要な音声を録音。約400の文章を八代さんが読み上げ、その音源データをもとに、八代さんのような自然な音声合成が実現したという。 3曲目の「一枚のLP盤」では、スクリーンに両親との家族ショットが投影されるなか、八代さんが「聴こえますか…聴こえますか…父さんゆずりのわたしの声が」と歌い、参列者の涙を誘った。 その後も演目が続く中、雨の中駆けつけた参列者による献花が行われ、それぞれが八代さんへの慕情を抱きながら、花を手向けていた。 ファンが参列する第2部は、YouTubeの八代亜紀ちゃんねるで午後5時より生配信される。■『八代亜紀 お別れの会 ~ありがとう・・・これからも~』セットリストオープニング映像【八代亜紀AI語り1】01. 舟唄02. 愛の終着駅【本人ナレーション1】03. 一枚のLP盤▼献花開始【八代亜紀AI語り2】04. 花<ブーケ>束05. 愛ひとすじ~愛の執念~愛の條件06. 故郷へ07. 哀歌(エレジー)08. ともしび【本人Live TALK1】09. Fly Me To The Moon【本人Live TALK2】10. 黒い花びら【本人Live TALK3】11. The House of the Rising Sun【インターバル1 CD「昭和の歌など聴きながら」】【本人Live TALK3】12. おんなの夢13. おんな港町14. もう一度逢いたい15. 陸の船乗り【インターバル2 CD「人生の贈りもの」】【本人ナレーション2】16. 想い出通り17. 居酒屋「昭和」【八代亜紀AI語り3】18. なみだ恋19. 雨の慕情【八代亜紀AI語り4】20. ダンチョネ節【八代亜紀AI語り5】
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